ああアシスタント(その2)

    紹介された翌日から早速アシに呼ばれた。当時の自宅から約1時間半の所に仕事場が

    あって、‘こりゃ通うの大変だなー’と思っていたのだが、それは逆の意味で杞憂に終わった。 

    帰れないのだ・・・



    週六日勤務で朝九時から夜中三時まで。その強面の先生の顔色を伺いながら

    ひたすらベタとトーン貼り。

    朝は当然のように先に寝た先生が起きてくる前に起きてコーヒーを入れ

    不機嫌な顔で起きてきた元ボクサーと言う先生の機嫌を損なわないよう元気に挨拶。

    唯一の息抜きは弁当を買いに行くときくらい。

    夜は二段ベッドが3つ押し込まれた部屋で僕以外のアシの人と助っ人さんが寝る。

    共同生活に慣れてない僕はなかなか寝られず、先に寝た人たちのいびきで更に寝られず

    朝方ウトウトし始め眠りについたなーと思った頃にはもう起きる時間と言う生活・・・

    ぼくがアシに入ってから辞めるまで4人ほど新人アシが入ってきたけど、3人が途中で辞め

    うち一人は朝起きるといなくなっていた・・・

    肉体的にきついバイトは色々経験してるけれど、これほど精神的にキツイバイトは初めてだった。

    まるで軍隊にいるような感じ。これで一ヶ月働いてちょうど10万円はいくらなんでも・・・



    言っておくけれど、アシスタントの仕事がみんなこんなんだと言う訳じゃない。

    普通は多少使えなくても一日7000円前後。飯付きというのが当たり前。

    エロ業界の作家さんだってこの位は払う。

    僕の友人がうちの先生と同じ少年C誌で人気のある漫画家さんの所でアシをやっていたけど

    拘束は週2日(実質30時間ほど)で月20万以上、コミックが出たらボーナスとして10万近く、

    さらに年2度ほど社員旅行という形で海外旅行にまで行っていると言う所もある。

    (ちなみに今ではそこのベテランアシとして年収1000万近く貰っているそうである・・・)



    つまりは行く所によって待遇がまったく違うのだ。

    コメント

    非公開コメント

    承認待ちコメント

    このコメントは管理者の承認待ちです